どう売ればいいのか分からなかった頃

開業してからの2年ほどは、天ペロにとって、かりんとう饅頭の品質向上にひたすら時間を費やす時期でした。


というと前向きなんですが、実のところ、どうやって売ったらいいかさっぱり分からなかったのです。

店頭に饅頭を並べてみるものの、近寄ってきてくれるのは、よほどの物好きか身内だけでした。
それまで調理師として働いてきた自分にとって、「作る」ことは分かっても、「売る」ことが分からなかったのです。
「売れないのは味が悪いからだろう」と考え、とにかく味の追求を続けていました。

当然、店としては成り立たず、営業後は深夜までアルバイトをする日々でした。

いったい何をやってるんだろう、と自分に呆れつつも、どうすればいいのか分からない。そんな状態が続いていました。

そんな中で、淡路ハイウェイオアシスの方から声をかけていただきました。
淡路ハイウェイオアシスは、淡路島の玄関口にある、こだわりの土産物を扱うパーキングエリアです。
「かりんとう饅頭の揚げたてを販売したいので、揚げる前のものを卸してもらえないか」

そんなお話をいただいたのです。


天ペロとして初めての本格的な外部との取引でしたが、迷わず引き受けました。

パーキングエリアでの販売自体は2、3年で終わりましたが、この経験を通して、「売る」ということを初めて学ばせてもらったように思います。
通行人の何%の方に購入していただけるか、という「キャッチ率」に0.1%単位でこだわる姿勢は、いいものを作っていれば売れるだろうと、ぼんやり思っていた当時の自分にはまったくない発想でした。


振り返ると、天ペロにとって最初の転機は、この出来事にあったのだと思います。

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